さて、ZBrushCoreにすっかりハマってひとつモデリングしてみたものの、次に僕が考えたのは「このままZBrushCoreでガッツリ作っていっていいのか」です。モデリングするのに、とても自分向きであることはわかってきましたが、こうなってくると、ZBrush本体(ZBrushCoreに対して機能制限されていないZBrushのことをZBrush本体と書くようにしています)と比べて機能制限されている部分が気になってきますね。
気になる点
ZBrush本体とZBrushCoreの機能比較などを参考にしながら、気になる部分は、とりあえず以下の点。
- ユーザー製ブラシが非サポート:「ZBrushはZBrushCoreで作られたブラシを読み込むことができますが、ZBrushCoreはZBrushで作られたブラシを読み込むことができません。」という部分。ネット上で共有されている様々なユーザ製ブラシは使いたいところ(今のところ標準実装されているブラシでも十分ですが^^)
- FBX形式のエクスポートが非サポート:この形式で直接Unityに持って行けた方が便利なのではないか?
- 「ZRemesher」がなさそう:「ZBrush猫(4) Dynamesh+ZRemesherはモデリング革命である」に書かれている「DynameshからのZRemesher」は一度試してみたいところですが、ZBrushCoreには実装されていなそう(どこ探してもない)。
これだけですぐにでもZBrush本体に乗り換えた方がいいのではないか、と考えてしまいそうですが、僕としてはもう少し長い期間、修行も兼ねて、このZBrushCoreに慣れていきたいと考えています(買ったばっかだし)。そしてそこで作ったファイルは無駄にしたくない。
ZBrushCoreで作ったファイルはZBrush本体で開くことができるのか
こうなってくると、現在ZBrushCoreで作っているドキュメントはそのままZBrush本体で開くことができるのか、を先に確認したいところです。
Pixologicのナレッジベース(日本語)では、
ZBrushCore から ZBrush へアップグレードすることはできますか?
Posted by Matthew Yetter on 11 October 2016 11:02 AMはい。ZBrushCore で身に付けたスキルはすべて、ZBrush に流用できます。
アップグレードするには、My Licenses (マイ ライセンス) アカウントにログインしましょう。そこでアップグレード用のボタンが表示されます。この方法によって、割引きされた ZBrush のオンライン ストアにアクセスできます。
ZBrush へ移行するために ZBrushCore がアンロックされるわけではありません。アップグレードの購入手続きを終えると、新しいシリアル ナンバーとダウンロード用リンクの記載されたメールが届きます。アップグレード後にも ZBrushCore を使用する場合には、コンピューター上に ZBrushCore をアクティベートしたまま維持することもできます。
とあります。「スキルは」と微妙な書き方がされている。。ZBrush本体へのアップグレードの際、割引がある($100の割引ということですね)のと、アップグレード後は、ZBrush本体とZBrushCoreの両刀使いができそうということはわかりました。しかし、ZBrushCoreで作成した資産がその後活かせるのかがあいまいです。そこで、ZBrush 4R7の無償トライアル版を入手して試してみました。
すると、なんということでしょう。。。
File Error
Error has been encountered while trying to load the file.
Loading has been aborted.
となり、開くことができませんでした。かなりガックリきて、やむなくZBrush本体にアップグレードすっかなと思い、My Licencesページにログインしてみたところ、上記に記載の「アップグレード用のボタン」というのも存在しない。。。ここで詰んだか、と思ったところ「Upgrading to ZBrush」というナレッジベースで、光が見えてきました。
ZBrush 4R8リリース後にアップグレード可能とな
Google先生に翻訳してもらったものを載せておきます。
ZBrushへのアップグレード
Matthew Yetter投稿:2016年10月5日04:34 PMZBrushCoreは、ZBrush 4R8がリリースされた後、いつでもZBrushライセンスにアップグレードできます**。
(中略)
** ZBrushCoreが4R8のコードに基づいているため、ZBrush 4R7はZBrushCoreによって作成されたZPRまたは他のネイティブ形式のファイルをロードすることができないため、ZBrush 4R8のリリース以前はアップグレードできません。ZBrush 4R8がリリースされると、ZBrushはZBrushCoreによって作成されたすべてのファイルを開くことができるようになり、マイライセンスでアップグレードオプションが有効になります。
ここの注記部分が非常に重要ですね。ZBrushCoreは4R8なんですと!マイライセンスページのアップグレードボタンというものも、ZBrushの最新リリースが4R7の現時点では、表示されないわけです。
これでトライアル版でも開けなかった理由がわかりました。そして、ZBrush本体のR8がリリースされれば、無事にZBrushCoreで作成されたファイルをZBrush本体でも開けるようになる、と。さらにその時点でアップグレードすれば、Coreと本体の両刀使いも可能になる、と。
これで安心して、ZBrushCoreでガッツリ作っていってもいい(必要な時がきたなら、ZBrush本体へ割引アップグレードすればいい)という結論になった、と考えていいでしょう!
そして、であるなら「ZBrushCore 4R7」なんてややこしい表記しないでおくれ。
東京造形大学卒業後、マクロメディア(現アドビ)に入社。QAやテクニカルサポートマネージャーとしてFlash、DreamweaverなどのWeb製品を担当。独立後、2007年に虫カゴデザインスタジオ株式会社を設立。2021年東京三鷹を拠点に。最近は、Unity, Unity Netcode for GameObjects, CakePHP, Laravel, ZBrush, Modo, Adobe Substance 3D, Adobe Firefly, Xcode, Apple Vision Pro, Firebaseにフォーカスしています。モバイルアプリ開発情報を主としたブログ「MUSHIKAGO APPS MEMO」の中の人。