「ありがとう Flash」ではありません。「ありがとう Flash Player」です。
短めに書くので正確に認識しておいてください。ひと昔前、Macromedia(現Adobe)が「Flash」という名前でブランディングした影響で(なんでもかんでもFlashほにゃららと呼んでたりした)、Flash Playerそのものを「Flash」と言う人も多いですが、製品としては、Flashコンテンツを再生するためのプラグイン製品なだけです。2020年12月31に、このFlash Playerの配布・サポートを終了するよ、と言うもの。これは実質Flash終了じゃんと乱暴な言い方をする人もいますが、アニメーションを制作するための「Flash」は終了ではありません。
制作ツールとしてのFlashは「Animate」に改名されているので、ブランディングとしての「Flash」は、Flash Playerの終了をもって終わりと言えるですかね。このくらいまでのいきさつは、技術を追うものとして、ぜひ認識しておいてください。
短めにというのは、ここまで。以下は、気になることや記念ショットなど。
アニメーション制作ツールとしてのFlash「Animate」
Flashは、2016年に「Adobe Animate」と名前を変えて今後もアップデートされていきます。
つい最近のアップデートでは、FutureSplashの頃からある「グラフィックシンボル」に新機能が付くなど、今でもアニメーション制作ツールとして進化をしています。
「Flashアニメーション」と呼ばれたコンテンツは、動画上で右クリックをすることで「Flash Playerについて」というメニューが出てくるため、コレがFlashで作られたんだな、というのがはっきりしていました。
Animateで作成したアニメーションは、映画やテレビ、YouTubeなどの動画として活躍できますが、はっきりとAdobe Animateで作られたものなのかどうかは作者が公表しなければ「わかりにくい」というのが、良くも悪くも、そういう性質のものになりますね。
この辺の情報はやはり国内では、A.e.Suckさんの「Amazing Flash」ですね。Animateで作成された優れた作品やAnimateの情報をずっと追い続けてくれています。
A.e.SuckさんのFacebookグループ「Flashタイムライン派」にも入っておきましょう。
ActionScript
気になるのは、今後のActionScriptの動作環境ですね。ActionScriptもだいぶリッチな言語で、必死に勉強したので思い入れもガッツリあります。コレが動作する可能性があるのは主に、Flash Player、Adobe AIR、スタンドアロンプレイヤー、プロジェクタですかね。Flash Player、Adobe AIRについては、今後期待できないとして「プロジェクタ」は今後どうなるんだろう。
Animateからアプリ作成できる手段として残っています。これがある以上、ActionScriptも使えるといえば使えますね。(ただ、使いやすいエディタがないんですよねぇ。。)
Animateの持つスタンドアロンプレイヤーをアップデートすることで、プロジェクタ書き出しも進化できるはずですが、内部的には、Flash Playerの開発チームが作ってたんじゃないかな?
だとすると、今後どうなるのか、ですね。なんかわかったら、今後も追って行こうと思います。
Flash Playerの情報といえば、上条さんのブログでしたが、流石に最近はアップデートされていないようですね。。
まぁ、あとは本家のAdobe Labs
ありがとう Flash Player
とはいえ、僕も本当に好きだったFlash Playerの配布が終了すると言うのは、そう言う時代が来たんだなぁ、と思います。JavascriptとFlashコンテンツがやりとりを交わす「FSCommad」とか懐かしすぎます。「FS」というのは「Flash」のさらに改名前の「Future Splash」から来ています。
最後の配布サイトのショットや必要システム構成などのショットを貼っておきます。
アドビは2020年12月31日でFlash Playerをサポートを終了するため、2021年1月12日以降、Flash PlayerでのFlashコンテンツの実行をブロックします。すべてのユーザーの皆様にはFlash Playerを直ちにアンインストールし、ご自身のシステムを保護することを強く推奨いたします。
2020年12月31日、あと4日、ありがとうFlash Player。
以下、終了に関する各社の発表ショット。
東京造形大学卒業後、マクロメディア(現アドビ)に入社。QAやテクニカルサポートマネージャーとしてFlash、DreamweaverなどのWeb製品を担当。独立後、2007年に虫カゴデザインスタジオ株式会社を設立。2021年東京三鷹を拠点に。最近は、Unity, Unity Netcode for GameObjects, CakePHP, Laravel, ZBrush, Modo, Adobe Substance 3D, Adobe Firefly, Xcode, Apple Vision Pro, Firebaseにフォーカスしています。モバイルアプリ開発情報を主としたブログ「MUSHIKAGO APPS MEMO」の中の人。