見積書や請求書をiPhoneやiPadで作成できるiOSアプリ「WoodenHead」をApp Storeリリースしました。このアプリは、基本的に見積書や請求書といった伝票を作成して、PDFに書き出すか直接AppleのAirPrint対応プリンタで印刷することを目的としたアプリになっています。
また、Facebook/Twitter/Googleアカウントでのログインを必須としていて、同じアカウントでログインすれば、別のiPhoneやiPadでリアルタイム通信して同時に同じ内容を確認することができるようになっています。
ここでは、WoodenHeadの使い方を流れに沿ってスクリーンショット付きで書いておきます。
WoodenHead Release 1.5.1 from mushikago on Vimeo.
ログイン認証
このアプリはログインしないと何もできないようになっています。一度ログインすれば、次回以降は自動的にログインします。このログイン認証は、他の虫カゴアプリでも共通なので、「虫カゴアプリ : インストール直後とログイン認証の流れ」もご参考に。
Facebook / Twitter / Google のいずれかのサービスを使って認証してください。
※ これは、ログインアカウントやパスワードをこのアプリ用に新たに作るのではなく、これらのサービスを利用してログインすることで、このアプリのユーザーを一意として認識させるためのものです。ログイン認証に必要な権限だけ許可を得ることになります。それ以上の権限はリクエストしておりませんので、各サービスの情報をこのアプリが受け取ることはありません。
一度、どれかでログインするとアカウントが作成されます。そのアカウントにログインしている状態で、別のサービスで再度認証すると、この二つのどちらでログインしても同じデータを扱えるようになります。(最初にログインしたアカウントを一度ログアウトして、再度別のサービスで認証した場合、この二つは別々のデータを扱うことになります)同様に、これら三つのサービスを同じアカウントに紐づけて置くこともできます。もちろん、いずれか一つだけでもかまいません。
新規伝票の作成と取引先や品目など下準備
新たに伝票のカテゴリを作成します。種類ごとにわけた一冊のノート、ブックというようなイメージです。右上の「+」ボタンで新規作成。
カテゴリ名を入力します。
一番下に追加されます。この順序は、+ボタンの左横にある、並び替えボタンで順序を変えられます。
各カテゴリごとに取引先、品目、アプリ設定は分かれていて、同じアプリ内で複数の管理を別々に行うことができます。まずは、取引先を作成していきましょう。
右上の「+」ボタンを押して、新規取引先を作成。
IDは数字4桁、Codeはアルファベット4桁で入れるようにしておいてください。そのほかは適当な属性値を入れてください。「Save」を押すと反映されます(Saveしなければ変更内容は破棄されます)。
新しい項目が追加されました。いつでも編集できます。次にこの取引先に関わる品目を設定していきます。
品目設定もやはり新しい項目は「+」で。
品目設定は、どの取引先のものも、このページでまとめて表示されます。IDは適当な数字4桁で入れるようにしてください。取引先選択を押して、選ぶとその取引先のCODEが自動追加されます。このCODEを設定することで、この品目は、その取引先の品目になります(後から伝票で品目を選ぶときに、このCODEがその取引先と一致するものだけが表示されるようになります。)
新しく品目が追加されました。
同様にもう一つ別のものを追加してみます。こんな感じでずらっと品が並びます。次に自社設定をしておきます。設定を選択。
設定ページの「自社設定」を選びます。
新規アイテムは、どのページも共通で「+」で追加です。
最終的に、伝票を印刷したときに印刷される自社情報です。口座情報は、請求書伝票で印刷されます。
ここまで設定できたら、伝票を作成する準備ができました。取引先や品目は、使っている間に頻繁に追加や編集を行うことがあると思います。自社情報は、場合によっては2つ目、3つ目といった形で使うことがあるかもしれませんが、多くの場合は最初の一度だけの設定になるかと思います。
伝票作成
伝票のリストは、初期起動時は全く何もリストされていませんが、伝票を作成するごとにここにリストされていきます。請求書の合計金額がいつも総計として表示され、すべてあわせていくらの請求を行ってきたのかがわかるようになっています。(注文書、つまり外部への支払いについては、逆にマイナスするようになっています)
やはりここも新規作成のために「+」を押します。もし、以前作成した伝票を複製してから新規伝票が作りたい場合は、その伝票を長押しすると、複製するかどうか聞かれます。(これをキャンセルするとオレンジ色に着色されるだけなので、なんらかのマークとして着色したいときにも使えます)
どの値から設定しても構わないのですが、適当な順番で書いておきます。
まずは「選択」と書かれている部分。伝票の種類です。請求書や見積書、注文書といった用途に合わせて選択します(ここは今後もアプリのアップデートとともに伝票の種類を増やしていけたら、と思っています)
日付を選択します。
「ドラフト」となっている部分。ここは伝票のステータスですね。ステータスによっては、伝票リストの総計の計算対象外となります。
伝票の摘要を入力しておきます。(リストしたときに何の件かわかるように。請求書の摘要欄にも印刷されます)
ここから品目を追加していきます。この伝票の取引先(お得意先)がどちらなのかを先に決め、その取引先に紐づけられた品目が「製品名」にフィルタされて選択できるようになります。
選択した製品(品目)の数量を入力します。単価に対していくつなのかでその製品も小計が計算されます。選択後「追加」を押して、初めてこの伝票に製品項目が追加されます。
追加する際にその品目に対して簡単なメモ(コメント)を残せます。なるべく短めに入力してください。このコメントも最終的には請求書などには印刷されます。(印刷されない伝票タイプもあります)
追加されると、その時点の合計が即座に表示されます。再度、別の製品を追加してみます。
リストで選択して
数量を入れると、
合計が即座に再計算されます。その詳細リストは、この辺をタップすると、別のページでリスト表示できます。削除するときも、その詳細リストで削除します。
項目を横にスワイプすると
削除できます。これはiOS標準のテーブル操作です。「伝票詳細設定」で元の伝票に戻れます。
消費税と源泉税(注文書等で利用する場合あり)は、長押しでオン/オフを切り替えられます。オフになっている場合は、濃いグレイ表示になっています。
最後に自社を選択しておきます。伝票は縦スクロールで作ってありますので、上にスワイプすると下の隠れている部分の項目を設定できます。
「選択」を押して、アプリ設定で作っておいた自社情報を選択します。
ここまでで伝票は作成できました。
伝票の出力
各伝票詳細設定ページの右上にあるボタンは出力ボタンです。PDFに書き出したり、直接印刷したり、iOSの他の様々なアプリに渡したり、ということができます。
出力を行うと、まず、選択していた伝票タイプに従ってデフォルトの伝票が表示されます。この伝票イメージは、現バージョンではカスタマイズできませんが、将来、ニーズがあればカスタマイズできるようにしようと思っています。
プレビューしただけでは、どこにも保存されていませんので、さらに右上のアクションボタンを押して出力先を決めます。
おおよそ、「ファイルに保存」か「Print」を選ぶことになると思います。印刷するにしても「ファイルに保存」をしてから印刷すればいいですね。「ファイルに保存」は、iCloudフォルダに保存することになるので、ここの保存するだけで、MacなどでもそのPDFへアクセスできるようになります。
「Print」を選んだ場合、AppleのAir Printに対応しているプリンタであれば、直接印刷することも可能です。お使いのプリンタがAir Printに対応しているか確認してみてください。
「Print」を押すと印刷されます。
一連の流れの説明はこんな感じです。使い勝手の改善やサポートする伝票の種類などは、今後のアプリのアップデートで行なっていこうと思っています。
東京造形大学卒業後、マクロメディア(現アドビ)に入社。QAやテクニカルサポートマネージャーとしてFlash、DreamweaverなどのWeb製品を担当。独立後、2007年に虫カゴデザインスタジオ株式会社を設立。2021年東京三鷹を拠点に。最近は、Unity, Unity Netcode for GameObjects, CakePHP, Laravel, ZBrush, Modo, Adobe Substance 3D, Adobe Firefly, Xcode, Apple Vision Pro, Firebaseにフォーカスしています。モバイルアプリ開発情報を主としたブログ「MUSHIKAGO APPS MEMO」の中の人。