Flash Pro CCでは、iOSシミュレーターSDKまでのパスを設定しておく事で、Mac上でiOS向けコンテンツのムービープレビューが可能になります。
ムービープレビューを実行すると、コンパイルが始まり、Xcodeの持つ「iPhone Simulator」を起動して、擬似的にiOS向けアプリの動作を確認する、という流れです。
ところが、Xcode5.0に含まれる「iPhoneSimulator7.0.sdk」(2013.10.11現在で最新)では、以下のようなアラートが出て動作確認ができなくなっていました。
iOS 用アプリケーションのパブリッシュに必要なファイルがインストールされていません。Flash Professional を終了してから、元のインストーラーを実行して、すべてのオプションコンポーネントをインストールしてください。
この問題が起こるのは、単純にAIR SDKが最新の「iPhoneSimulator7.0.sdk」に未対応なためと思われます。
Flash Pro CC(2013年リリース版)のデフォルトでは、AIR SDK 3.6が同梱されていますが、このままだと上記のエラーが発生します。2013年10月8日リリースのAIR SDK 3.9にする事でこの問題を回避しシミュレーターを起動する事ができるようになると思います。
ここにあるエラーメッセージの通りに対処すべきではありません。Flashも終了しなくていいです。
AIR SDKの最新版を使用する方法
Flash Proは、複数の異なるAIR SDKを切り替えて利用する事が可能です。以下は、AIR SDK 3.6の状態から、AIR SDK 3.9にしてムービープレビューする方法です。
- まず、アドビのサイト「Download Adobe AIR SDK」から最新版のAIR SDKを入手しましょう。ちなみに、他のバージョンを入手するには、「Adobe AIR Help / Archived Adobe AIR SDK versions」から落とせます。
- ダウンロードした「AIRSDK_Compiler.tbz2」をダブルクリックして解凍します。
- 解凍後のフォルダをどこか適当な場所に保管してください。今後も同じようにAIR SDKが増えて行くので、いつも同じところに保管しておくといいと思います。
- Flash Pro CCのヘルプメニューから「Adobe AIR SDK を管理…」を選びます。
- 「Adobe AIR SDK を管理」ダイアログの右上にある「+」を押して、先程保管した「AIRSDK_Compiler」フォルダ(binの入ってるフォルダ)を選択します。
- 「Adobe AIR SDK を管理」内にバージョン「3.9.0.1030」(2013.10.11現在。その時点での最新バージョン表記になります)が追加されます。
- これで、AIR SDKが最新になったわけではありません。ここで管理されているAIR SDKを選択できるようになっただけです。今開いているコンテンツを最新のSDKでパブリッシュするには、ファイル>パブリッシュ設定を開き、ターゲット欄でAIR 3.9.0.1030 for iOSを選びます。
- これで最新のAIR SDKでコンパイルする準備ができました。ファイルメニューでも「AIR 3.9.0.1030 for iOS設定」というようにバージョン表記が変わっていると思います。Flashを再起動する必要もありませんでした。
制御>ムービープレビュー>iOSシミュレーターを選択してみます。(一度これを選択すると次からコマンド+Returnで同様のプレビューができます)
- パブリッシュが開始されます。
- iOSシミュレーターが起動し、Flashコンテンツを確認する事ができるようになりました。
ここで超注意すべき点ですが、iOSシミュレーターのデバイスが「iPhone Retina (4-inch 64-bit)」になっていると、インストールしたアプリがありません。。。
この64-bitというのとその他では、シミュレーター上に表示されている階層が違うようで、シミュレーターにはインストールされているものの、アプリはありません。そのまま、「ハードウェア>デバイス>iPhone Retina (4-inch)」などに選択し直すと、今ムービープレビューしたアプリがあります。
東京造形大学卒業後、マクロメディア(現アドビ システムズ)に入社。Quality AssuranceやテクニカルサポートマネージャーとしてFlash、DreamweaverなどのWeb製品を担当。独立後、2007年に虫カゴデザインスタジオ株式会社を設立。2021年東京三鷹を拠点に。最近は、CakePHP、Laravel、Unity、ZBrush、Modo、Adobe Substance 3D、Adobe Firefly、Xcode、Firebaseにフォーカスしています。モバイルアプリ開発情報を主としたブログ「MUSHIKAGO APPS MEMO」の中の人。
コメント
[…] は、AIR SDKのバージョンを「3.9」以上にする必要があります。 「Flash Pro CC + Adobe AIR : Xcode5.0でiOSシミュレーターが使えない場合」をご参照ください。AIR SDKをバージョンアップする方法も記 […]